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キティの涙。 [本]

マグカップ、バッグ、文房具、Tシャツ。。。
いたる所に出没するポーカーフェイスの愛らしいネコ。
しかし、そんな可愛いキティちゃんにも、知られざるストーリーがあった事をご存知でしょうか。

キティの涙
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この本は現在キティちゃんのデザインを担当する三代目デザイナー山口裕子さんの本です。

入社当時、一番人気があったキャラクターは「キキララ」と愛称で呼ばれていたリトルツインスターズで、私も入社試験でそれを描いてサンリオに採用された。
そういう人気者キャラクターを描くデザイナーは女優の楽屋のように仕切られた部屋にいる。西部劇のような小さなドアのある、カラフルなアメリカの一軒家のような部屋だ。そこにはアシスタントが一人か二人、いる。あとのデザイナーは一人一人が蜂の巣のようにパーテーションで仕切られて、わーっとたくさんいる。その全部で60人くらいいるデザイナーのほとんどは女優待遇のデザイナーに会うことすらない。男性のディレクターがいて、その人の指示通り、何かのキャラクターグッズをデザインするだけのことだ。たとえば定型のマグカップにキャラクターをわかりやすくくっつける、というように。

キティの2代目のデザイナーが辞めた後、後任はなかなか決まらなかった。
「だって売れてないものねえ、キティ」
「誰がやるのかしらね」
デザイナーたちはそんな言葉を胸に秘め、無言で淡々と仕事を続けていた。ところがみんなの胸の内を悟ったように、社長がえらく怒った。
「どうするんですかっ。このままキティを放置したら売れなくなってしまいます。キティは友情のシンボルだから、やめるわけにはいかないんです。早く後任を決めてくださいっ」

山口さんは新しいキティのデザインのプレゼンのために、キティのプロフィールに目を通します。

「ハローキティ。ロンドン郊外に生まれる。イギリスの児童文学『鏡の国のアリス』に登場する猫の名前にちなんで名付けられた。家族はパパとママ、双子の妹のミミィ。。。キティの憧れはピアニストになること」

そこまで読んで山口さんは、自分の子供時代の事、ピアノを習っていて、家にグランドピアノが来た日の事を思い出します。

「あれ。。。なんで?ピアニストになりたいのにそういう絵がないの。。。」

ここから着想を得て、山口さんはキティちゃんの家に初めてグランドピアノが来た日、ピアノを弾いているキティちゃんをパパとママが見守っている絵を描きます。
この絵で山口さんはキティちゃんの担当デザイナーになり、それからキティちゃんは一躍人気キャラクターとなっていくのです。

本を読むと山口さんのこうと決めたら積極的に行動していくバイタリティと感性の鋭さを感じずにはいられません。

ファンシーなキャラクターの舞台裏はあんまり知りたくないものですが、可愛いキティちゃんの意外な真実が少しだけわかるかもしれません[かわいい][手(チョキ)][わーい(嬉しい顔)]


タグ:タロット
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